社員インタビュー
次世代を拓くEV車の開発に貢献
バッテリーケース設計
近藤久稔
新分野に挑戦する姿勢に惹かれ、FTSへ
私は大学時代に情報系の学部で学んだのですが、最初に勤めた会社では自動車のシート部品の設計を担当。その経験を活かして活躍の場を広げられる会社を探していたところ、FTSに出会いました。私が入社した当時はEVが話題になりはじめた頃で、周囲には「燃料タンクは必要なくなるのに大丈夫?」といった声もありましたが、私はむしろチャンスだと思いました。たとえ今は安泰だと思われる部品でも、時代の変化とともに変わらないといけない点では同じです。また、新興国ではまだガソリン車の需要が伸びており、今後もしばらく内燃機関が消えることはないわけですが、それでも果敢に新分野に挑戦している点にも魅力を感じました。これまでのシート設計の経験を活かし、新たなチャレンジをしたいと考えていた私にとって、まさしくFTSは渡りに船だったのです。
次世代モビリティのバッテリーケースを開発
現在、私たちのメンバーが取り組んでいるのは、EV車とFCV車にフォーカスした新製品の開発プロジェクト。なかでも私は、2年ほど前から始動したバッテリーケースの開発に取り組んでいます。ただ、当社は燃料系の部品メーカーのため、EV車向けの開発ノウハウがありません。そこで完成車メーカーが発足させた新たな組織に参画し、設計チームの一員として開発に取り組んでいるところです。今進めているのは、現在世に出ている車種のPHV版と、全く新しい次世代環境性能車のバッテリーケース。これまで携わってきた燃料タンクの開発とは全くの別物です。特に電気に関する知識が必要で、日々学ぶことが多い反面、新しい発見の連続でとても楽しいですね。
課題が多い初めての製品だからこそ、面白い
バッテリーは、衝突事故が起きた時などに火災が発生しないよう、しっかりと保護する必要があります。もちろん、燃料タンクもガソリン漏れが発生してはいけませんが、逆にいえば、燃料が漏れなければ多少の衝撃が加わっても問題ありません。ところが、バッテリーはこうした衝撃に弱いため、強度を確保することが不可欠です。その一方で、燃費向上のための軽量化も必要。さらに、強度を出すために強固な素材を選べば、その分加工に制約が出てくるなど、全体のバランスを取るのが難しいですね。場合によっては、車外にバッテリーを設置するケースもあるため、水やサビ、泥などを防ぐ必要もあります。今まで手掛けたことがないものを実現するのは大変ですが、試行錯誤しながら実現していく作業は、その苦労を忘れるほど面白くてやりがいがありますね。