社員インタビュー

軽量化No.1の燃料タンクを目指して

燃料タンク構造設計

近藤拓也

クルマが好きという思いを胸にFTSへ


大学時代には次世代エネルギーに興味を持ち、核融合の実現に向けたコスト低減に関する研究などを行っていました。卒業後の進路としてはエネルギー関連企業に就職するという選択肢もあったのですが、小さい頃から乗り物が大好きだったことから、あえて大学で学んだ分野ではなく、自動車業界で活躍してみたいと考えるようになりました。同じ自動車業界の中でも、私が入社したいと思ったのは、完成車メーカーではなく部品メーカー。世界中の自動車により広い視野で関わることができると考えたからです。なかでもFTSは、燃料タンクなど自動車が動くために欠かせない重要部品を手掛けている企業です。鉄と樹脂の両方を手掛けている点も、幅広い知識を習得できるという意味で魅力に感じました。                    

耐久性と軽量化。相反する課題との闘い


現在、私は燃料タンクの開発・設計を担当しています。トヨタ車でも長い歴史を持つ車種のフルモデルチェンジにあたり、数年前からプロジェクトが進行中で、その構造設計を一手に任されています。燃料タンクに要求されるのは、高い信頼性です。砂漠や岩石路など、悪路でも問題なく走り続けられる耐久度に加え、燃費向上に直結する軽量化も大きな課題となっています。燃料タンクにおいて、最も無駄がなく効率のいい形状は凹凸の無いシンプルな四角形です。ただ、燃料タンクの設置スペースには限りがあるため、形状を工夫し、圧力が掛かっても変形しにくいタンクを設計していくのです。タンクの形状を変えれば凹凸によって表面積が増え、その分重く、容積も減ってしまう。相反する課題を解決する答えを探し求めながら、更なる軽量化を実現すべく開発を進めています。                

子どもの頃に抱いた夢が実現できる職場                    

入社当初は大学の専攻が違っていたこともあり、基本的な機械工学の知識さえ足りない状況でした。設計というと単に形状を描けばいいように思いがちですが、そこに根拠がなければ設計とは言えません。なぜその線を書いたのか。それを十分理解した上で書くことが大切なのです。また、入社前には設計者は黙々と作業しているイメージだったのですが、実際には様々な部署とのつながりが大事です。設計がいくら素晴らしい製品を設計しても、作りやすさを考慮しなければ量産化はできない。独りよがりになることなく、作りやすさやコストを考えながら周囲と協調することが大切なのです。苦労する場面もありますが、自分の手掛けた部品が自動車に搭載され、世界中で走っている。そんな子どもの頃からの夢が現実しているのが素直にうれしいですね。                                      

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